失踪ゲーム
岩盤浴に行って新陳代謝がよくなったのか、汗をだらだら流しています。
いつも通り勤務前日は眠れないです。
困りました。
岩盤浴中に、幼少時代の記憶が蘇ってきました。
両親と弟がお買いもの、私だけ祖父母の家でお留守番、
お迎えを心待ちにしていたのに、
弟は当時はやりのおもちゃを下げて帰ってきました。
その名もウルトラマンのダイブハンガー、いわゆる基地のプラモデルです。
あれ、私って取り残されていたのだろうか、
父も母も、私のこと嫌になったのかな。
きっと弟のほうがいいんじゃないかな。
と心は沈み、靴を履いてとぼとぼと近くの公園まで歩いていきました。
目には涙、ぽろぽろと流れていて、なんでだろう、と頭の中で繰り返していました。
私がここで道を踏み外すこともなく、失踪することもなく、
今も平凡に過ごせているのは、
後ろから叔母が追いかけてきてくれたからでした。
気の休まるまでお話を聞いてくれました。
「一緒にいたのに、楽しなかったんか」
そう聞かれて、はっ、となりました。
そうだ、楽しかった。けれども、弟だけ新品のおもちゃを買ってもらえたことに対し、羨ましかっただけだ。
叔母や祖父母といてて楽しい一日だった。
他人の気持ちを考えていない、これはいけない。
そう気が付いても涙は一向に止まりませんでした。
むしろ更に泣き続けました。
なぜそんなことを思い出したのでしょうか。
最近の日常から思い出したのだと思われます。