系譜
先祖の系譜や話が知りたい。
そう言うと、歴史が好きなんやなぁ、と思う人もいるだろう。
実際のところ幼いながら「知りたい」と思った理由は、「10年以内に必要になる」と思ったからだ。
何か諍いがあると気が澱む。
人間はある年齢を超えると、変わることが難しくなる。
20で相談を受けたとき、先数十年の予測がたち、系譜が必要であり、慣習があるがために力関係あり、古い昔から変わらないことが見えた。またこのままであれば、広範囲を道連れに地に落ちることが目に浮かんだ。
まさかずっとお世話になっている親族が台風の目となり、周りをひどく巻き込むだなんて想像したくなかったが、巻き込まれる人たちの方は迷惑以外なのものでもないのは事実である。
それが嫌で、「近い将来、孫が皆大人になる日」を想定し、着々と情報収集にあたった。
最低限守らなければならないところを守るために、私は隅っこで目視し、遠くにいても聞き続ける。
「xx やったら安心や。じいちゃんときも頼むで」
三回忌を終え、いつかの葬式の納骨まで歩く道でそう言われたのを思い出した。
まだ早いで。縁起でもないこと言うたらあかん、と言い返した日が懐かしい。
次会うときにはラジオ体操できるくらい足腰戻ってることを期待してるで、じいちゃん。ハイタッチして病室を後にした。
私は私にできることを叶えようぞ、じいちゃん。
私だからできることがあり、そのために私はいるのだから。